寝屋川市立和光小学校実践報告

-ポーランド・ヴィソキエ小中学校との国際交流学習-

1.概要

【対  象】寝屋川市立和光小学校

5年生 全3クラス

各クラス約35人、計約105人

【交流相手】ポーランド・ザモシチ郡ヴィソキエ小中学校

3・4・5年生 全3クラス

各クラス約20人、計約60人

【期  間】2007年6月~11月

【枠 み】 総合的な学習の時間を中心に、国際理解教育や英語学習の一環として進める。

2.交流目的

稲作など、農業や学校行事等を中心に、相手の文化を理解すると共に、生徒自身の生活や日常との比較思考の育成。

3.交流形態

ポーランドのヴィソキエ小中学校には、青年海外協力隊の日吉咲恵さんが日本の文化伝承の目的で赴任されていた。そのため、関西大学や和光小学校がヴィソキエ小中学校と直接連絡を取ることはなく、日吉さんを通しての交流となった。連絡手段として、和光小学校、日吉さん、寝屋川市教育委員会、関西大学が入ったメーリングリストを設置した。しかし、打ち合わせや日程調整については、日吉さんと和光小学校が直接連絡を取ることはなく、関西大学が両者と連絡を取り、調整を行った。

4.交流方法

テレビ会議

寝屋川市のテレビ会議システムを使用した。互いに自分の名前は英語で紹介し、その他は母国語で発表。日吉さんが通訳をしてくださった。和光小は発表テーマごとに4~5人のグループをつくり、なわとびの披露や楽器の演奏などを行った。それぞれの発表の後に、互いに質問や感想などを言い合った。

新聞の交換

TV会議の際、通信が不安定であったため、映像が互いに見づらいもしくは相手の顔すらわからないという状況になった。その伝わらなかった部分を補う目的で行った。和光小はクラスごとにテレビ会議の様子を写真と文書でまとめたものに、担任の先生の感想を加えた。また、英語版も作成することで、ヴィソキエの先生方に直接読んで頂けるようにした。ヴィソキエからもクラスごと(学年ごと)にまとめたものをメールで送って頂いた。

自己紹介カードの交換

交流相手をよりリアルに感じるために行った。両国ともI like . I play .など簡単な英語を使って作成し、顔写真を添えて互いに送付した。両校の先生方にも作成して頂いた。

メール交流

和光小では5・6人のグループごとに日本語でワードファイルにメール文章を作成した。和光小学校からのメール送付の手順は、まず和光小から関大に送ってもらい、写真の添付と英訳を行った後、関大から日吉さん宛に送信した。そして日吉さんにはポーランド語への翻訳を依頼し、ヴィソキエの子どもたちが読めるようにした。ヴィソキエからのメールは日吉さんが日本語訳してくださったものを直接、和光小へ送信して頂いた。

5.交流学習の振り返り

【和光小学校・5年生担当教員】

ポーランド側との連絡をほとんど関大が行ったことで、交流は教師にとっても単発的なものに感じられた。また、年間を通しての計画が立てられていなかったことで、学校行事が忙しい時期は、子どもたちの活動の中心もそちらに移ってしまい、実際、交流を継続的には行えなかった。

最初の交流であるTV会議をするときには、準備段階では子どもたち自身から、「伝えたいこと、見てほしいこと」が出てきて、意欲的であった。TV会議本番、通信の不具合によって相手の様子がはっきりわからなかったことに対して、子どもたちなりに難しさを感じたようである。それを授業の展開として次につなげられれば、子どもたちはもっと交流に実感をもてたかもしれない。子どもたち自身は発表できたことに満足しているようであったが、授業としての展開を組んでいなかったことで、TV会議も一つの交流として完結してしまったのだと思う。

継続的な交流ができないとなると、子どもたちが交流相手との価値観の違いに気づくところまでもっていくのは難しいのではないかと感じた。しかし、交流学習は単発的にならざるを得ないのではないかと、その限界も感じている。

今回の国際交流学習では、年間の授業計画の必要性を感じたが、教師自身にそれを立てるための十分な時間はなかなか確保できない。今回はメール交流をするにしても言語の壁があるために、スムーズに交換できなかった。そういった問題をクリアするためには、子ども同士の交流にこだわらず、日本語が使える現地スタッフの方との交流の方が良いのかもしれない。交流内容についても、教科と絡めることで、深い学びへと導けるかもしれない。

6.課題と展望

本実践では、四者間(日本の教員と支援者、相手国の教員と支援者)で連絡が取れなかったことで、互いに情報・目的の共有ができず、教員に単発的な交流の印象を与えてしまった。これは、間に入った支援者が、双方にイメージを補うようなサポートをするなどして対応することが必要であると感じた。また、交流の目的や意義を交流前に十分に話し合う必要があった。そうすることで、交流手段についても「今できる交流」を中心にするのではなく、「目的を達成するための交流」として提案できたのではないだろうか。交流計画を立て、年間を通してコンスタントに学習するためには、交流のための授業時間の確保や、支援者の定期的な授業支援が必要であると感じた。